都内で一番落ち着ける場所ってもしかした渋谷のはずれなのかもしれないとふと思った。
都会は記号的と言われるが、例えば中央線沿いの町も落ち着いてはいるが、もしかしたらそっちの方が記号的な場合もあるのではないかと話を聞いていて思うことがある。
記号的になるということへは憧れはある。
しかし、自分という存在は街や町にとってプラスに働かない、ノイズになってしまう故に落ち着かないのである。
これは学生生活の時も同じ。それが当たり前の人からは”カウンターカルチャー”と見受けられることがよくあるのだが、それもそれで擬態なのだ。
そう思うと実際自分の正体はもしかしたら虚無なのかなと思うことがよくある。
例えば、パルコの誰もいない屋上や東急の近くの蕎麦屋さん、ベローチェはそんな自分を許してくれる。
観光スポットになりうる場所を「外」として、部屋の地続きを「中」とすると、ここらは”外にある中”なのである。
だから、楽しい。
いわば、ハッピー虚無なのである。
◯
今日はそんな宮下パークから少し歩いた場所にあるよく行くカフェにて元バイト先で知り合った二人とお茶の約束をしていた。
二人とはコミケにも出た仲でだいぶ遅ればせながらのお疲れ様会でもあった。
一人は10代の頃から知ってる絵がめちゃくちゃ上手な帰国子女の通称学ハン。(Gと略すのはなんなので・・・ゲーム名)
もう一人は、当時から何か近い感覚を持っているような気がして不思議と仲良くなった先輩のHさん。
近況報告をしながらチキンの乗るワッフルを頬張った。
ここでまたMBTIの話になった。
そして、驚くことにHさんも私と同じINFPであった。
上京してからありがたいことに一緒にお茶できる人はほとんどが同じ結果が出て驚いている。
学ハンはまた違う結果なのだが、内向的が90%なんだよ!?と見せてくれた結果に笑ってしまった。
一度海外に行って日本的なものがどうでもよくなった、吹っ切れたとよく本人は言っており、だけど根本はこうなんだよと話していた。
その時に枕詞的なやりとりって海外であるの?と聞いてみたら「日本だけじゃない?」と学ハンは言った。
◯
現在、これじゃいかんと日常の常識というものを日々勉強中なのだが、あらゆる側面でこれまでの経験で無意識に持ってる勘じゃ通用しないなということがある。
私は学生の頃にヒップホップが好きになってから「白々しさ(フェイク)」というものをできるだけカットしてバイブスだけを信じるように決めた。
それから、その場の環境を生き抜くための友達作りはやめて、飲み会に行くこともやめた。
ゼミの先生が面白くて好きで、卒業式の日もゼミの資料整理のバイトだけ出て出席せずに帰った。
今思えば、それらも全て大事な工程なのだ。
この国、いや、この星で生きるには。
部活の合宿の飲みの時間、おぅ・・・と思い、なんかあったよなと屋根裏部屋に行ってみるとそこに既に人がいて、そういう人と仲良くなりがちであった。
もちろん彼はすぐに部活をやめて、私もその後にやめてしまった。
なので、基本近い星の人とは結果的に疎遠になりがちなのである。
それぞれの虚無へ帰っていくのだろうか。
結果「淡白」と受け取られ、前に出れば出る杭となり「図々しい」と取られる。
THE MUZZZZZZZZZZZUである。
そんな話をしていたら「図々しいって思われることあるよね」と学ハンは言った。
かなり年齢は若いのに大御所並みに肝が座っている人で同じような体験を話してくれた。
結果的に「調子に乗る」とはなんだという話になった。
自分も含めてみんな「調子に乗った」と周りに思われないようにバランスを取っているのではないかとふと思ったことがあったのだ。
「調子に乗る」と「図に乗る」は違うのだ。
◯
H氏は今日のお茶会に参加することに対して少し勇気が必要だったと話してくれた。
私たち二人は既に退職しており、その二人と会うのは少し勇気が必要だった。しかし、行くことに何か起きる予感がしたと話してくれた。
私は物好き仲間と久々に話せるの楽しみ〜というテンションであったため驚いた。
H氏の話を聞いて、思いついたアイディアや方法をとにかく話まくった。
話を聞けば聞くほど、H氏の喉仏あたりに眩い光が見える気がしたのだ。
その光を見たいではないか。
そんな話を聞く中で、あとは一度その生まれた調子に乗ってみることが大切なのかもしれないという話になった。
小学生の頃、リコーダーでマリオの地上BGMを吹いていたら「調子に乗っている」と言われパッタリやめてしまったことがあった。
もし、あの時続けていたら今やどうなっていたか・・・!?
なんて冗談だが、その時に言ってきた人はクラスの人気者。自分より目立つ人が現れて自分のポジションのためにもそう指を立てたのであろう・
我々は人間的に自分に自信はまるでなくても、何かが好きだったり、その愛を持って何かを作る自信はきっとあるのだ・
きっと無意識の中にあるのだ。
それこそもしかしたら虚無の中で光っているのかもしれない。
図々しいと指をさす人こそ、その自信が逆転しちゃってるだけだから、もう気にせず乗るべき調子は乗ってこうよ。
そんな話をしていたら、それが無理ならアメリカへ行こうと学ハンは言った。
◯
別れ際にまた会うのは半年よりもっと先かな?なんて話になった。
きっと明日からはまた自分のことで精一杯になり、二人のことを案じ続けることはできないかもしれない。
しかし、時に分かつ空を気にしながら過ごすのであろう。
また、はずれたところでこっそりど真ん中の話をしよう。