久しぶりに風邪を引いた。
熱は全く出ないのに、細胞がボロボロと転がっていくような。
身体は弱いが体力はあるという凸凹なパラメーター故なのか、ひと段落つくとよく風邪を引く。
それは気の緩みなのだろうか、はたまた深夜にしていた空中ウォーク散歩が仇となったのだろうか。
それは神のみぞ知るべきであるが、きっと神もくだらなすぎて相手にしないだろう。
○
久闊を叙する。みなさん元気でしたか。
日記もしばらくご無沙汰してしまった。
3月はとにかくハードコアを極めていた。
書くべきことが多すぎて、内容が飽和してしまい下書きにそっと眠らせてしまった。
3月は、現体制のバンドの絶対的な着地点へと点を繋げながら、この春に向けての猛烈な支度を整える、まさに平行世界を行き来するような不思議な日々であった。
そして、普段の日常も溶けるくらいたくさんの作品を読んだり観たり、インプットがたくさんできた。
だからこそ、日常という日常の記憶はあまりなく、何かを作るか画面か頁の中か机上にいた覚えしかない。
これでいいのか・・・!?
○
私は一行でも済む話を1500文字以上書ける無駄なスキルを持っている。
改めてここで下書きを見ながら三月を振り返りたい。
主題となる一行と簡潔に今の私が振り返るという方式でいこう。
さぁ、行くぞ!
◆
「突如、まめっちに目覚める」(03.07)
最近、私の肛門、おっとX(©︎ナイツ)のトレンドは絵師さんによる主にrkgk(落書き)で賑わっている。
あるあるなのだ。自分の音楽アカウントのつもりがすぐAIに「お前はヲタクだろう」と判定されてしまい、挙句タイムラインはイラストやゲームの話題で溢れかえる。
そんなある日、好きな絵師さんがたまごっちのまめっちの落書きをうpしていた。
もちろん完成されたイラストも好きなのだが、私は落書きが今特に好きだ。
その自由な線にあるのは生命力だけではない、愛が詰まっているのだ。
大袈裟にいうと血が通っている。そういうものにキュンときてしまう。
私は小学生の頃、ロボットや戦隊モノよりディズニーにポケモンといったキャラクターにハマっていた。
そして、もちろんたまごっちにもハマった。
いわゆる”エンたま”から入り、周りが離れても”ウラたま”というパラレルワールドのシリーズまで遊んでいた。
BSでやっていたアニメもなんとか見て、カードダスでレアのまきこが出た感動は未だに覚えている。
映画も、その音楽も最高だった。しかし、その時にはもう同じ情熱で語れる人は誰もいなくて、一人で「ききっち、いいよなあ、いいなあ」と絵を描いていた。
もう、紙の上に生み出すしか無いのである。
絵師さんのまめっちの絵を見た時に心はもちろん、そして鼻腔が反応した。
親に隠れてばあちゃん家で深夜までこっそり遊んでいた、あの時の寝室の空気のにおいが蘇ったのだ。
結何が言いたいのかというと──
ネット最高〜〜〜!!!!!
あなたも私も一人ではないのだ。
◆
「あんこの甘さに嘘はない」(03.09)
いつもお世話になっている川口にあるsenkiyaさん。
そんなある日帰りの準備をしていたら、ふとあんこの香りに気づいた。
senkiyaさんにはいろんなお店があり、その中にわがしを販売している「わがしの日」がある。
ちょうど近くを店主のカミーさんが通った時に「あんこの香りですか?」と声をかけてみると「ちょうど今あんこを作ってるんです・・・!」と。
いやあ、我ながら毎朝小倉トーストを食べて育った人間ゆえ、あんこへの反応は早かった。
早速、できたてのあんこを特別にいただけた。
スタバのラテのようにカップに入ったあんこ。それ以上に可愛いものはあるのだろうか。
ちょうどその日はカントリーのライブに出る予定があり、カミーさんと話していたら「もしかして、赤坂ですか・・・!?」。
まさに、赤坂のカントリーハウスでお世話になっており、聞くところカミーさんはそのお店の常連さんだったらしい。
こんなミラクルが起こると日常により色が広がる。とても嬉しかった。
そしてある日カミーさんから連絡が入った。
センキヤを卒業することになったと、そしてそこで弾き語りとDJをお願いできないかと。
もちろん出たいに決まっている。あんこのイベントだぜ!?
タイミング良くちょうどスプラトゥーンのフェスTで「あんこTシャツ」がNINTENDO TOKYOで販売されており、Sサイズしかなかったけど買ってしまった。
それほどに気合いが入っていた。
いつもバンドの時はプラス5人いて、私は横で見守るに近いポジションで前に出ることはしないのだが、弾き語りとなるとそうはいかない。
慣れないところ緊張もしたのだが、ありがたいことに多くの方に集まっていただけた。
私のあんこへの愛、そしてそれを作ってくれる人へのリスペクトを込めて「あんこのうた」という曲を作って演奏した。
弾き語りとなるとどうしても内向的になってしまう。
しかし、この日はプレゼントを渡す勢いでやってみよう!とこの日だけのセットリストで挑んでみたら、とてもスペシャルな空気が会場に溢れた。
こ、これか・・・!?と何かを少し掴めた気がした。
ライブ後、物販で用意した手作りステッカーは好評で全部人の手に届いた。
QRで三曲+ラジオが聴ける「どら焼きくんステッカー」だ。
そのライブにはなんと大原大次郎さんも来てくださった。
SAKEROCKや星野源のデザイン周りをやられていた最高にかっこいい方である。
高校生の頃、なけなしのお小遣いで星野源のツアーに参加して、必ずやタオルだけは買おうと物販によく並んだ。
そのタオルとは学生生活をほとんど共にして、未だに愛用している。
一時期はそんな大原さんのデザインに憧れ色々描いていた頃もあったが、結局自分には可愛いキャラクターしか描けない・・・と悟ったタイミングがあった。
そう、もう私にはムラビトくんやどら焼きくんしか描けないのである。
しかし、この日そんな大原さんが私のステッカーをゲットしてくれたのだ。
そして、帰り際にふと見かけた──
大原さんのスマホケースにどら焼きくんがいる!?!?!?!?!?
もはやパニックであった。
コロナ禍で厚塗りなども練習したが、結局シュールなキャラしか描けない・・・と生まれた「どら焼きくん」が、まさかの憧れの大先輩のスマホケースで過ごしているなんて・・・!!
本当に嬉しかった。
しかし、考えてみたらえらいこっちゃ。
もうこういう歌、絵しか描けない・・・と残った何かで作ったものがいろんな人の手に渡り、それぞれの生活にこっそりいるのだ。
嬉しい・・・。
帰りがけにカミーさんともゆっくりお話しができた。
いやあ、とても嬉しかった。よしっ作戦成功だっ!とこっそりガッツポーズであった。
赤坂に向かう道中であんこをつまみ食いした時に思った。
わお、これは全力であんこが好きな人だと。クレイジー。
だからこそ、演奏もDJも自分なりのリアルを詰め込みました。
あんこの甘さに嘘はない。
カミーさんとまた会う時はあんこフェスだ!!
◆
一旦休憩。
いや、簡潔に書くの難し!!
んん〜〜、方法を一度変えてみよう。
一行、今思い返した感想を簡潔!!!!!に書く。
これで行こう!!
◆
「呪いに見つめられ、また睨みつけている」(03.12)
センキヤで大原さんがおすすめの映像作品を教えてくれた。
その中でA24制作のドラマ「THE CURSE」がとても面白かった。
このドラマは画面作りがとてもユニークできっと好きだよと教えてもらったのだが、まさに癖と言えるほどに最高であった。
我々視聴者は、常に彼らの動向を何かに隠れて見つめているような、そんな画面で物語は進む。
ドキュメンタリーなのかコメディなのかホラーなのか。
漫画「ドロヘドロ」でもカースという呪いを使うキャラクターが存在する。
呪い。
大学の民俗学部にいた頃に聞いた話がある──とまで行くと長くなるから割愛!!
結:最高の作品で、呪いは睨み返して突破口を見出すしかないのだ。
◆
「花が、空中ウォークの花が咲く」(03.16)
DEMO制作を順調に?ハードに?進めている。
一通り録り終えてメンバーのみんなと回転寿司へ行った。
高い。こんなに高かったっけ?
うげぇぇぇぇとなり、店を出て疲れ果てた私はおふざけで「空中ウォーク」をやってみた。
あれ・・・?できている・・・・・!?
あれ・・・?という空気感がフワッと生まれた。
あれ?少しできてね??
まさかここに才能があるとは。
空中ウォークの才能。
なんだそれ!!
しかし、練習もしたことなければイメージもしたことなかった・・・ってことはセンス??
その後、昼夜逆転した生活で制作に行き詰まったりすると、深夜の住宅地に出て空中ウォークで散歩するという趣味が生まれました。
めでたしめでたし(?)
◆
「ワイルドハニーで買った本が光る」(03.20)
新体制に向けていろんなことが少しずつ進んでいる。
場所は基本的に誰かの家だ。
鍵盤のシンジくんの部屋に初めてお邪魔した時に驚いた。
大学の頃、初めて丸山くんの部屋にお邪魔した時のような驚きがあった。
自分がこれは良いぞと人知れず集めてた画集だったりが、本棚にこそっといる。
それだけでは終わらず「誰が持ってるんだよ!」と嬉しいあまり言ってしまうようないろんなモノがあった。
ネットもいいが、ぐうぜん最高!!!
ここずっとスケボー周りにハマっているのだが「FUCK YOU HEROS」という写真集には本当に度肝を抜かれた。
かっっっっっっっっっっけえええええええええ!!!!!
グレンEフリードマンの写真集である。
スケートボーダーからパンク、ヒップホップなどのカウンターカルチャーが爆発している作品だ。
写真は基本画面で見ることしかなかったが、生まれて初めて写真集でこれはかっこいいと思えた。
「何か感じないといけない」という働きもなく、射止められたような感動があった。
私の好きだなあって追っている作品を作っている人ってみんな優しい。
なのに、それと同じくらい、またはそれを凌駕するほどにクレイジーでパンクなのだ。
この認識が当たり前の感覚になっているが、改めて考えると変で良いなあ、とグッと来てしまう。
私が上京する前に今池のワイルドハニーというレコ屋のおっちゃんが「君はこれを買った方が良い」とおすすめしてくれたとある本がある。
当時は、いや、高いなあ!と思いつつ渋々買ったのだが、それはある種私の未来を作ったと言っても過言ではない一冊となった。
その一冊がシンジくんの部屋にはあったのだ。しかも続編まで・・・。
これがなんの本かはまた語る時が来るだろう。
その後、みんなは先に帰り「朝までになっちゃうかなあ」とシンジくんは鍵盤のRECを始めた。
するとすぐに良いメロディが生まれて、私はみんなの1時間ほど後に帰ることになった。
部屋というのは不思議である。
あのとき絶対に繋がらない、それでいいやと思っていた部屋が、また誰かの部屋と繋がっていくことがあるのだ。
それがいつか時間も生活様式も違う人の部屋まで繋がっていったらどれほど嬉しく楽しいものか。
作るぞ!
◆
進化ツアー東京(03.22)
もう、全てをそこに、あのライブに置いてきた。
メンバーと積み上げてきたモノ、音楽、世界。
本当に多くの方に来ていただけ、それにあんなにも会場に熱気が発生したことが見たことなかったので、本当に嬉しかった。
改めて、みなさん本当にありがとうございました。
今回で最後になってしまうメンバーもいるけれど、これはみんなの進化ツアー。
お客さんも含めた進化ツアーなのだ。
あの熱気で満ちる空間。
その立ち上る湯気の粒子、額からの汗、飛び交う音の粒で目の前が光っていた。
それはみんなが、お客さんが進化していく光のように思えた。
これ以上語ることはないだろう。
あの時の音を身体に溜めて、それぞれの日常ハードコアに戻っていくのである。
また、いつか繋がった時空で会おう。
◆
UDAGAWACHOOO LIVE!!(03.24)
セッティングをしているときにマスターと雑談をしていたら驚くことがあった。
「ローリング内沢さん、ここでもDJされてるんですね!」と話しかけたら「よく知ってるね、ここでイベントやってたんだよ」と。
ローリング内沢さんとは、ファミ通のライターであり、今もなおクロスレビューのレビュアーとしても活躍されている方だ。
そんなローリングさんとは以前リリースしたZINE(攻略本)でまさにクロスレビューに参加していただいたご縁があった。
そもそも私がローリングさんを知ったきっかけは「ファミ通WAVE」というDVD付きの雑誌だ。
そのDVDの「ボーズの○○タイム」という番組が大好きで、未だによく観てしまう。
そんなお話をマスターさんにすると「まさにそのイベントをここでやってたんだよ」と。
ええええええええええええええええええええええ!?!?!?
ボーズさん(スチャダラパー)も来てたんですか?と聞くと「ボーズはいなかったけどね」と。
仲の良さそうな呼称・・・!?ご友人・・・!?と熱を急いで落として「そうですかあ」と落ち着いて当時の話を聞いたりした。
いやあ、これはなんたるぐうぜん。
びびびっときた場所にはやはり”びびび”があるもんだ。
ライブ本番は、THE自分で言うのはなんだが、伝説と言えるライブとなった。
これはそのいつか語られる日が訪れることを願いながら頑張るしかない。
この6人で集まれたのも、本当にぐうぜんだ。。
去年とは比にならないペースでぐるぐると回っている。
何も進展しなくて地獄の空気になることもあれど、とにかく面白い。
じゃんけんポイで、見たことも聞いたこともないキュンとくるポイ!が出る瞬間の高まりよ。
演奏が終わり、久しぶりにお酒を呑んだ。
そうしていると、とある話をいただいて突然この春先の自分がどうしているのかいよいよわからなくなった。
つまり、ワクワクが訪れたのだ。
4年間バイトしたのも渋谷の宇田川町。
最終出勤日の帰り道のことを思い出した。
奥渋谷から自宅に戻る代々木八幡あたりで「くそう!!!!」と謎のくそう!!!を言い放ってまっっくらな道をチャリンコで走ったこと。
くそう!!!!は何か願いでもあるのかもしれな。
その人だけの絶対がある、と言うことだ。まだ残っている。
みんなバラバラで帰っていく。
私はチェに乗せてもらい車で帰り、その道で牛丼屋に行った。
松屋のハンバーグはやっぱうめえ。
宇田川町にはいろんなご縁があるようだ。
ここからどこに続いていくかわからないが、進化ツアーで燃え尽きて終わらずよかった。
新シリーズにケツをたたかれるような、ワクワクに向かって血と汗と涙と虚無を渡っていきたい所存である。
くそう!!!!!