こしあん日記(Koshiahh’s Diary)

MURABANKU。の土屋慈人の日常系

戦慄の虫歯10本(04.15)

虫歯が10本あります☆

── 白馬に乗った白衣の王子様は歯をキランと輝かせながらそう言った。

 

キェェェェェェェェェェェェエエエエエエエエエ。

え、めちゃくちゃ家賃取れるじゃんよ!?

 

その後、えげつないほど口内よりドリルの音が鳴り響いた。

 

 

最近、最寄りの駅から伸びる◯◯ストリートに軒を連ねる店に新たなる顔ぶれが多くて驚いた。

派手じゃないこの町も変わっていくんだな。

その中にイクスピアリにあってもおかしくない佇まいの歯医者さんがぴかぴかとしていた。

 

ちょうど、昔に詰めたはずの奥歯が欠けた。

アトラクションに乗る気持ちで行ってみようかなと帰宅度メールで予約をした。

 

 

高校の頃、歯医者さんへ行き「君は表面は上手く磨けてるんだけど、裏がねえ」と指摘され、歯医者とは口内の状況から露呈する人間性を暴かれる場所だと認知して行くのが恐ろしくなった。

バレているのだ・・・!

 

それから、歯医者を変えてこれまたイクスピアリにありそうな歯医者さんに行ったら担当の先生が当時好きだったセクシー女優にめちゃくちゃ似ていて、レントゲン室に閉じ込められてどうにかされちゃうんじゃないか・・・!?と妄想する自分がキモ過ぎて、結局元の暴露系歯医者さんにお世話になった。

 

そして、久々のイクスピアリにありそうな歯医者さん。

ひとつ、お願いします ──

 

ま、眩しい・・・!

辺り一面が日中の明るさでいっぱい。

自然光の光という光が店内のクリスタルの壁で乱れるように反射している。

と、溶ける・・・・・・。

 

すると左から「こんにちは〜」という華やかなひと声。

 

 

白衣の天使 in da dental clinic!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

というのも時代的でないだろうが、上京後お世話になっていた歯医者さんはゴルフの打ちっ放しからそのまま来たようなゴルフウェアのおじさん先生だったため、ギャップに驚いた。

 

そして、systematic!!!!!!!

 

おばちゃんが向かい入れてくれ、太々しく(貫禄を持って)先生が訪れるのと違う。

細かく院内のポジションが振られており、効率的かつ丁寧に私は誘導されていった。

 

しかし、つまらないことに私ももう大人である。

レントゲン室に連れていかれる時には「あ、多くお金を請求されるわ・・・」と能面で指定された位置に顎を置いていた。

そして、両手をその顎の近くの握り手へ誘導され、この状況を3Dプリントされたら黒歴史確定のTHE・恥ポーズで皮膚の向こう側を撮られていった。

 

 

久々に歯医者さんへ行くと毎度思う。

ここまで口の中をえげつなくあれこれされるって、あり得ない信頼関係の元成り立っているよな、ということ。

逆を返せば、いつ歯を勝手に抜かれたり、ドリルで舌に穴を開けられるかも正直わからない状況だ。

 

これまた、姉さんにえげつなく口を引っ張られ様子を見られる。

そして、姉さんから色々と質問を受けて、できるだけ暗い結果が来ないように前向きに答えていく。すると ──

 

「前の詰め物の奥に虫歯が残ってて、大きな巣になってますね」

 

あのジジイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

いや、あれはやっぱり貫禄ではなく、太々しさだったな!!!クソオオ、やられたな!?!?

診療時間がアニメでいう間で入るアイキャッチくらいだったもんな!?!?

金を返せぇぇぇ!!!!

 

胸中でも疼く虫を落ち着かせながら(この身体にどれだけいるんだ)、私はクールに「そうですかァ」と答えた。

 

 

それにしても、イクスピアリ歯医者さんはやっぱりすごい。

とにかくクリスタル。濯いでくださいね〜の紙コップの所定の位置が置くと光ったりする。

 

先生が来ますのでお待ちください〜。

そう言われ、私は個室で一人になる。

目の前にあるどでかい真っ暗なスクリーンと睨めっこ状態だ。

ここでドクターマリオやったら楽しそうだなあとふと思ったが、このスクリーンに絶望が映される可能性に気がついて脳を鈍感にさせて無になった。

 

「こんにちは〜」 ──

 

白馬に乗った白衣の王子様、降臨!!!!!!!!

イケメソ!!!!!!!!!!!!!!!(古い)

 

若い先生に口内をめちゃくちゃにされるのは初めてだった。

私はただ一言伝えたかった。「勇気をもつ、時間をください」と。

 

口内をえげつないほどにかき乱されて、私のわからないアルファベットを次々に唱えていく。

ダッシュダッシュ」という響には不安しかなかった。

 

 

「虫歯が10本あります☆」。

いやあ、響いたね。いやあ、私の痛覚よ。

痛みは未だに全くないのだ。

 

時に、取り組むいろんな物や関係に繊細になり過ぎてしまうと上手くいかないそんな人生だ。

そんな時に自分を鈍感にさせる癖がついてしまったのだろう。

この虫歯10本はまさに物語っている。

お金を医療にかけたくないという気持ちから痛みに鈍感になることで蓋ができてしまう。

オイオイ、そんな大人になっていいのか。

蓋をしていても、巣は広がっていくのである

 

・・・って、あのヤブ医者ジイイめ!!!!!!!!!!!!!!

 

今後このクリスタルクリニックにたびたび通うことで、数年後の私はきっと裏表もない所謂”パーフェクト(完全なる)クリスタルヒューマン”と化していることでしょう。

ウインクすれば星さえ瞬く。なんちって(ドヘーン)