こしあん日記(Koshiahh’s Diary)

MURABANKU。の土屋慈人の日常系

喫茶店から海から〇〇へ(01.23)

MURABANKU。から鍵盤のODこと小田くんときむさんがメンバーからサポートに、そして月子が月へ一時帰国することが公開された。

 

一生の別れになるわけではないし、重々しい感じにはしたくないよねと常々きむさんもODも話してくれて嬉しかった。

どう情報を出そうねと通話での会議中に不謹慎かなと思いながら、どう森の住人が引っ越すときの手紙みたいな感じは?と提案してみると、それにしよう!と盛り上がった。

 

私が言えることかわからないが、とてもいかれている。

「おしらせ」で打ったほうがそりゃその重大さが伝わるだろう。しかし、それよりも面白さを優先してしまうのだ。

これはきっとショックよりも前向きに捉えてほしいというみんなの優しさなのだろう、それぞれの「手紙」は本当に最高だった。

きむさんのそれぞれ便箋の柄までもの作りこみ、そのいかれ具合に本当に脱帽であった。

 

 

高校1年生の三学期ごろ。自分は今まで明るい人間だと思っていたが、その実読んでる漫画はとことん暗いし、周りの「楽しい」に純粋に共感できない部分もあるし、いよいよクラスのカーストというものも可視化できるようになり、おれはどこに居よう......困った!という時期があった。

 

気づかない振りをすれば、何を考えてるかわからない人で居続けられる。そして、何かトラブルに巻き込まれることもなくなり、その分輝かしいイベント毎は素通りされ、ここだけは自由に話せるという場所を見つけるとセルフ男子校というものは爆誕した。

 

そんな中2013年に私の人生を変える音楽がリリースされた。

ファストジャズのようなビッグバンドのようなパンクのような。

その時私は音楽を本格的にやりたい思ったというよりかは、何かが目覚めた、というよりかは居場所を見つけた気がした。

 

しかし、自称進学校と呼ばれる公立高校で音楽をやっている人はそう居ない。居たとしても本当にモテたい、目立ちたいの世界なんだなと当時引いてしまったが、目立たずに音楽をやりたいと思っている自分こそ一番矛盾していた。

そんな中、小学生の頃に通っていたHIP HOPダンス教室にエレクトーンのコンクールでひたすら優勝をかっさらってた彼がいたなあ.....と同級生を辿っていくと女子バレー部のマネージャーが連絡先を知ってて教えてくれた。

その彼こそがODこと小田くん、ともである。

 

 

どんな内容でメールしたかは忘れたが、地元のアピタのフードコートのマックで数年ぶりに再会した。

その再開の時の印象をいまだにはっきり覚えている。

 

 

 

暗!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

「底抜けに暗い」という聞きなじみの無い言葉がここまでドンピシャにハマる体験をしたことがある人は数多くないだろう。

自分より遥かに知識のあるヲタクの前でヲタクと自称できないように、そのあまりの暗さに私は「暗い」とは言えず「明るい」で振舞うしか無かった。

だって第一声が「人とこんな感じで話すのは数年ぶりだ──」であった。

 

しかし、その時に私はこの人と音楽をするのだろうと強く思ったこともすごく覚えている。

その後、高校の部活後に彼の家へ行き音楽を共有したり作る日々が始まった。

初めて、自分と近い居場所を持った人が現れたのだ。

 

 

中学生の頃、指から血が出るほどギターをかき鳴らし、のどで歌を歌うようなシンガーソングライターに憧れ、もともと弾語りで音楽を始めた。

そのスタイルと自分の人があまりにも合わなさ過ぎて、歌ってはその場に共感性周知を生むということを繰り返し、歌は歌わなくなり、ともとバイオリンを弾ける同級生とトリオのインストバンドを始めた。

 

とは言え、一曲もリリースすることはなかった。

YOUTUBEに投稿して、地元の喫茶店で(今思えば)企画をやる、を繰り返していた。

 

挙句の果てには、校長先生も来てくれた。ライブの終盤で私はサングラスをしてイタリア人の格好を身に纏いR&Bを歌い、校長に握手をする。その時の校長の顔を忘れることはないだろう。あたかも大御所の演歌歌手と握手をしているような、あの興奮する校長の笑顔を。

鍵盤でその展開を次々に牽引していくともに、気づけば「暗さ」を感じなくなってきた。

 

大学に入り、改めて自分がプロデュースするバンドをやりたいと作ったのがMURAバんく。であった。

始めは、ビッグバンド部の中で作るも結局私一人が残ってしまった。

 

そんななか、所謂”陽キャ”だと思い敬遠していたドラムの先輩が部室で星野源の『茶碗』を歌っていて「これは伝わる!!」と声を掛けたら乗ってくれて、その流れでともに改めて誘ってみるとやろうと言ってくれ、徐々にメンバーが集まっていった(※このあとベーシストまで壮絶な時間がかかる)。

 

その後、ようやく本格的に名古屋での活動が始まり、定期的にライブができるようになり、ついにCDを出そうと自分たちで倉庫で宅録をするようになった。

 

そんなある年の正月「家族の集まり気まずいからどっか行かん?」と連絡が入り、その録った音源を聴きながら名古屋城へ行き、夜には真っ暗な海をただ歩いた。

 

とにかく話題は「暗い話」であった。お互いの中にある黒いドロのようなものをいったん取り出して、それをジッと見てみるような。

しかし、話は暗くとも、なぜか暗い気はあまりしなかった。

 

 

その4年後にそんな彼(彼ら)とまさかSUMMER SONICに出ることになるなんて想像できただろうか。

あの喫茶店での事実上ラストライブでやった「暇人」が、まさか今こんなアレンジになっているなど想像できただろうか。

 

思えば遠くへ来たものだ。

しかし、とは言え目指したい場所へは全然追いついていない。まだまだこっから頑張るしかないのだ。

 

エンジンをかけるぞ、そう思いながらも、彼の表情を見るとどこか暗い。しかし、それはもう私がなかなか踏み込まない場所だ。

 

あぁ「その時」はいよいよ来るのかもしれない、覚悟を決めておかないといけない、な初めてそう思う時がきた。

これまでのことは。もしかしたら俗に言う青春だったのかもしれない。

 

 

渋谷でバイトをしていた頃、職場ときむさんの家が近くてよく泊まらせてもらった。

そして、初めて「洗顔」というものをあの地で教わった。

 

お前ごときは自分の顔の皮膚を気にしてんじゃねえ!というセルフ突っ込みを続けてしまっていたが、「いや、やったほうがいいよ」とお告げをいただき、ハトムギの化粧水を帰り道に初めて買った。

その旨をラインで送ると「行動力はや!偉い!!」と褒めちぎってくれその後欠かさず洗顔をする習慣が生まれた。

 

マーベル映画を自分と同じ熱量で話せる人が居なくて、その点でもかけがえのない存在である。

これは映画館の利益になるから!と私の分の映画のチケットを取ってくれ観た映画を私は忘れることはないだろう。

 

そして、その帰り道に本筋とは関係ない嫌~な話をついでにくらうという電話があり、こういうのって本当にあるんだな…と、でも自分の中にも加虐心があることは忘れちゃいけないと電車に揺られながら落ち込んだ夜のことも忘れないだろう。

 

そうして、気づいたらいつの間にか一緒に音楽をやっていた。

自分とは一体どんな人間なんだ!?と話しては寝る、そんな日々が音楽をやる日々に変わっていたのだ。

 

その中できむさんから相談があり、二人で話し合って、全体でも話し合って、早いものでその旨が公開される日がやってきた。

 

 

気持ちの良い音楽、所謂グルーヴというものは色んな楽器の音のズレによって生まれるものである。

グルーブ=ズレ。

 

そのズレが「楽しい」ズレならば最高に気持ちが良いのだが、全然そうじゃないと思っていても「どこかしんどい」ズレだとしたら、それはちゃんとケアするべきである。

 

誰が悪いとかそういうことではない。そうなってしまうということには、どうしても抗えない局面がある。

 

私はこのメンバーで続けたいなという気持ちがありながらも、やっぱり何かを強要することはできない。

このままそれぞれがそれぞれのしんどさに蓋をしながら、活動を続けるということはあまりにも悲しいと感じた。

 

そして、気づけば100%でワクワクできていない自分さえいる。

こりゃマイッタぜ。THE 決断の時である。

 

それぞれで話し合い、時間をかけて「よし、これでいこう」となったときの会議はまたそれぞれの自然なエネルギーが飛び交っていた。

電球が明るくなった部屋よろしく、光がはねていたのである。

 

ひとまずホッとした。みんな、ケンコーが一番なのだ。

 

これから愛知、東京とプチツアーが始まる。

これはもうMURABANKU。VERSEと言っても過言ではないほど、スペシャルなことが起こる予感。

 

矢張り、我々が向いているのは世の中の安牌を行くのではなく、いかにその時の自分たちを楽しく成仏できるか、その一点である。

それで私たちの音楽は生まれてきた。まさに「進化」の音でもあるのだ。

 

テレテテン♪

私自身も次に行きたい風景が見えた。しかし、そのためにはこの6人でこのライブをばつぐんに楽しいものにする、すなわちこの6人でそれぞれを成仏しなければ「次」にいけないのだ。

 

これは極めてハードコアだぜ。まだ無限1UPしてない人は今のうちにね!

ともかく、最高のライブにしようやあ。

 

 

P.S.月子の一時帰国ってなんだ!?こうご期待........!!!!!!