こしあん日記(Koshiahh’s Diary)

MURABANKU。の土屋慈人の日常系

西荻窪(01.17)

この数年自転車で移動することが多かったからか、その道の風景を行くと脳内で再生される音楽がある。

 


自宅から青梅街道までの道はKing KruleやPuma Blue、サバやLOFI HIPHOPなどの私の中での虚無曲を。

荻窪南阿佐ヶ谷の住宅地?まではミツメ、落日飛車、ザ・なつやすみバンド。(サニーボーイじゃん)

その住宅地の川沿いに来るとLianne La Havasのアルバム。

幡ヶ谷に入ると坂が多いので、その日その下る坂で聴きたい曲を聴いて風を全身に浴びる(もちろん大音量じゃないよ!)。

 


代々木公園に入ると人が多くなり、その人混みを抜けることに専念して、奥渋谷に入るとAnti LillyやButtering Trio、Sam Gendel、Brainstoryととある場所で知った曲を聴きたくなる。

そして、渋谷に入り自転車を止めるとスカートを爆音で流す。

 


 


そう、この間までは自転車で渋谷に行くことが多かったのだが、今は環境が変わり聞く音楽もまた少し変わった。

スチャダラパーを聴き、ジーンクルーパやファットジョンなど古いジャズを聴き、ルイスコールまわりの曲を爆音で聴く。

 


アニメもほとんど見なくなってしまい、その本数分バラエティ番組を観ている。

そして、アマプラで凄く古い映画も観れること知ってサッチモが活躍している映画を中心に観たりしている。

 


外部からの刺激が減った分、内部での刺激が増えているのだろうか。

自分のルーツの”近いところ”を改めて今掘っている。

そうすると、またあの時の点と点が「そういうことだんたんだ」と繋がっていく。

その一本線が見えた時にフリクリよろしく、おでこがギュンと伸びるような興奮がある。

 


 


気づけば夜の3時になっていた。

音楽仲間と西荻窪の中華でだべっていたら、あっという間に3時になっていた。

 


ずっとスタジオが安いという理由で高円寺で練習をしていたが、メンバーの集まりやすさなど含めて、いつの間にか西荻窪が自分達の音を生み出す場所となっていた。

 


アニメを観なくなってしまったのは「サニーボーイ」という夏目慎吾監督のアニメが本当に面白すぎて、そのクールが終わってからアニメを観るのが作業のような気がしてしまい、その向き合い方に不誠実な気持ちすら混じってしまいあまり観れなくなってしまった。

 


サニーボーイの舞台はまさに西荻あたりで、それいゆという喫茶店もアニメで出てくる。

自分は所謂「聖地に来た」という感覚はない。妄想じみた話だが「この近くで彼らも頑張っているんだな」と別の世界線の彼らの息吹を感じてしまう。

きっこの時間にも起きてたりするんだろうな。

 


 


外に出ると、めくり上げられるような寒さが裾からスゥと入ってくる。

クソ寒い。

深夜までやっている中華は本当に最高であった。餃子しか頼まない我々にも優しくしてくれ、これは足繁く通うしかない。

 


帰り際の記憶はほとんどないが、深夜の西荻はいい具合に虚無を纏ってくれていて、どこか凄く落ち着くところがあった。

主戦場として、虚無の空間。今日もそんな虚無からポツポツ曲が生まれていった。