こしあん日記(Koshiahh’s Diary)

MURABANKU。の土屋慈人の日常系

DAWくんとの生活はじめ(01.11)

目が覚めると15時を回っていた。まだ1月というのに部屋の中がぽかぽかとしている。
あの冷徹な冬様もジョブチェンをしたというのか、な~んて思っていると夕方から急にその顔を見せる。


そんなツンデレならぬデレツンの冬様に軽く挨拶をしながらPCの電源を入れる。

「よし、やるぞ」と早速昨夜の音源を聴き直して細かい修正を行う。
そう、私はここに来てやっとDAWくんと友達になったのだ。

 

 

過去にスマホガレバンでトラックや、聴いてるラジオのコーナーに向けての制作を行ったことはあるが、できるだけ本格的には触れないようにしてきた。


音楽のミックスやマスタリングで音を追求宇するのは大好きなので、スタジオにお邪魔してイメージを伝えたり、ジャッジをすることはあるが、DAWの操作はもうその道のプロにお願いしている。

 

その理由は「自分の持っているイメージ×プロの技術=未知の”やばば”」という方程式で作られる”やばば”が一番興奮するからだ。


だから、システムを理解してしまうと浮かぶアイディアの言語が変わってしまうような気がして、あくまで自分は完全なる妄想だけで提案するというスタンスでいることが大事なのだ。


本当にありがたいことに、そのイメージに共鳴してくれ、また提案をしてくれるような身近なプロたちに恵まれ、ここ数年の音源はリリースできている。

 

その他の理由としては、自分の好きな音楽がDAWの生まれるもっと前の時代のものである故に意識があまり向かなかった。
それに鍵盤は弾けないし、音符も読めなければ音楽理論もまるでわからない。
自分はあくまで原曲を作る人間だという自負があった。

 

自分が中高で好きだった映画監督も現場のぐうぜんの誰かの発想を信頼して作り上げているのをドキュメントで見て、気づけば自分もそのスタイルになっていたのだ。


だから、いつもバンドで曲を作る時は、頭の中でおおよその自分なりのアレンジができていてもデモは作らない。
スタジオで集まってコード譜面だけで、時には何もなし!(ごめん...)で、せーので合してみる。
そうしてスタジオに”やばば”が爆発したりすると、やはり興奮してしまう。

 

 

まあ「本格的には触れないようにしていた」と前述したが、それは体裁を保つための言葉のイタズラであり、シンプルに自分にあまり向いていないと感じていた。DAWで制作できるような環境は整っていないし、やりたい気持ちはあるんだけどなあで時が進んでしまった。


しかし。そんなある日。突如私の部屋に高スペックPCが現れたのである。


出勤時に挨拶をすると肩のあたりで手を挙げ「やあ」と返してくれる元バイト先の先輩Kさんが安く売ってくれたのである。PCもそんなに詳しくないが、あのただならぬイニシエヲタク感(敬意を払い”ヲタ”表記)を放つKさんのおさがりだ。


リスペクトと信頼しかない故、即購入させていただき、友人からマイクもお借りすることができ、突然にして万全の状態が整ったのである。

 

 

そうして始まったDAWくんとの共同生活。
夜に作業を開始して、気づけば朝の8時半になっていた。
ぽつんと季節も消え入るような部屋の隅っこでハッとした。寝よう。


それほどに、予想以上にDAWでの作業は楽しかった。

自分の癖だけで作るのなんか怖いなあと思っていたが、予想以上に愛くるしい曲ができた。

それが人にどのように受け止めてもらえるかは全くわからないが、とにかくかわゆい曲ができた。

 

どうしても自分の拙さゆえにイメージ通りにはいかない。しかし、自分の中にある無意識な心象風景が見えた時にすごく嬉しい。
その時に、つくづく音楽って魔法みたいだなあと感動する。


この曲はまたどこかで聴ける機会が訪れると思うので、ぜひ楽しみにとっておいていただきたい。
とにかく今の私の頭のなかは曲づくりとマリオワンダーのことでいっぱいだ。

デレツンな冬様よ、どうか温かく見守っておくれ。