夜更かしをしていたら、スッと、それからバチッとMVの妄想が浮かび構成ができあがった。
これだ・・・!!これしかない・・・!!
最近写真だけじゃなく映像も撮ってもらっている酒井さんに連絡してみると「ぜひ!打ち合わせしましょう!」とノってくれ早速MV会議が行われた。
そして、年間300本は映画を観ていると言う音楽仲間のシンジくんも来てくれた。
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ワクワクドキドキが止まらなかった大原大次郎さんの展示。お邪魔した際に大原さんご本人がいらっしゃって雑談をさせて頂いた。その時に「土屋くんって、絵だったり映像も作ってるんだよね〜いいねえ〜、それから魚眼カメラ好きだよね〜?」と。
大原さんからは全部お見通しであった。
それこそ、大原さん、山岸聖太監督、星野源さんの映像ユニット「山田一郎」の影響である。まさに私にとってのILL伝道者である。
そのことをお伝えすると「魚眼が好きならきっとこの人の作品好きだよ」ととある映像ディレクターを教えてくれた。
帰宅後早速調べて映像を観てみると・・・
癖!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
こんな言い方よろしくないかもしれないが、自分の性癖ど真ん中。
ストリートをメインにした本当に最高な映像の数々。気づけばあっという間に子供たちが登校している時間になってしまった。
とにかくHIP HOPで超絶クールな映像で首ったけ。そして、どこか遠い懐かしさを感じた。
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昼下がりの新宿、いつものカフェで(喫茶店を東京で求めるのは飽きらめた)酒井さんとシンジくんにイメージを共有する。
「まったくもって結びつかない点と点だから、全然イメージが見えないけど、めっちゃ面白そう」。シンジくんがそう言ってくれ嬉しかった。
そう、実際やってみないとわからないけど、めっちゃ面白そうなのだ。
映像を流しながら関連するイメージを次々に話、アイディアを出し合った。
その中でふと自分の幼少期の生活を話すタイミングがあり、話しながら「あ・・・!」とふと気がついた。
おれ、小学生の頃、めっちゃb-boyじゃん。
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学校が終わり、家に帰ってバックにゲームボーイアドバンスS Pを入れてJボードに乗って、同級生の集まるライオンズマンションへ向かう。
知らない人向けにJボードを簡単に説明すると、サーフィンのように乗って重心をかける足をクネクネすると前進するというボードのことだ!!
エントランスにて、色違いのスイクンをゲットしたと自慢する人、遊戯王のレアなカードを引いたと言う人。さまざまな自慢が飛び交う。
純度100%の「いいな!!!」を胸に秘めながら、私はボードでこんな技ができるようになったと自慢を返す。
そして、みんなで道路に出てJボードに乗る。
ライオンズマンションの前の道路は大変滑りが良く、暗くなるまでみんなでボードで走った。何度も転んで膝を擦り剥いたり、時には大量に血も出た。
未だにその痕は残っているほどだったのだが、不思議と笑っていた。
このあたりで私のアドレナリンの分泌方法は狂いだしたのであろうか。
その後、近くの山に登って、崖をママチャリで下ると言う通称「シレン」にどハマり。
そして、速さの最大を知りたくて友人にママチャリで全速力で漕いでもらい、私はそれにしがみついてJボードで走ると言うプレイにもハマった。
とにかくスリルを追い求めていた。結局スピードが早すぎて曲がりきれずにフェンスに思いっきりぶつかって怪我をするのだが、なんかおかしくて爆笑していた。
もっとJボードの技をこなせるようになりたいと思いライオンズマンション界隈を一人抜け出した。
私は気づくと近くにパークアリーナというボード専用の空間が用意されている公園で、知らないお兄さんたちに特訓をしてもらった。
無意識にガチ勢を目指していたのである。
走りながらボードを前に投げて、それに飛び乗って着地する。
それが決まった時の興奮よ。
今思えば、そのお兄さんたちはネットで集まったオフ会のようなものであった。
格好もHIPHOPよりはナードな雰囲気だ。ちなみ集まっていた同級生もほぼナードな人たちであった。
だけど、その自慢や技がとにかくカッコよくて幼き私はリスペクトを持って憧れていた。
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そんな放課後がありながらHIP HOPのダンス教室もなぜか通っていたんだよね〜と話すとシンジくんが「めっちゃストリートじゃん」と。思わず笑ってしまっった。
思った以上にめっちゃストリートすぎたのだ。
ちなみに、そのHIP HOPダンスも狭き門である「イベントクラス」のオーディションもなぜか合格しチームが組まされThe Black Eyed Peasの「I Gotta Feeling」で踊り狂っていた。
(その後、ここは自分の居て良い場所じゃない・・・!と自覚する中学生の頃はまた別のお話)
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スマブラDX,キングダムハーツ、ポケモンに飽きたら山の急斜面を登ったり、崖をチャリで下ったり、公園でずっとJボードの技を習得する。
そんな日々を過ごしていたら、自分が一体何者かわからなくなる。
当時の私はそう思っていたが、それは逆を返せば「自分でしかない」と言うことなのだ。
周りと違うバランス感を持っていると何かわからない不安に苛まれる。
だから、「安心」に寄って行きたくなってしまうのだ。
よって私は結局ゲームだけが残り、スリル系が音楽と変わった。
しかし、大原さんの参加しているその「山田一郎ワークス」の映像はまごうことなきスリル系なのである。つまりは「退屈」がない。
私は暇は好きだが、退屈はどうにも耐えられない。
それを打破してくれるのが「スリル」なのだ。
Jボードもスマブラも山田一郎ワークスも違うようで似た、同じスリルがあるだろう。
そんな私の、そしてあなたの退屈を打破できるような音楽とMVができそうなの。
もし日常ハードコアの中にいるあなたの楽しみの一つにしてもらえたら、それ以上に嬉しいことはないぜ。
ま、結局「b : nerd = 3 : 7」なんですけどね!!