こしあん日記(Koshiahh’s Diary)

MURABANKU。の土屋慈人の日常系

センターパートの彼(02.08)

人生わからないものだ。

「えぇ!?土屋さんやめちゃうんですか!?」という一文が、まさかこんなセリフに接続するなんて。

 

「土屋さん、好きでした・・・」。

 

 

おぉ、まだ名も知らぬ青年よ・・・。

私はただ立ち尽くし「え」「まじ?」の二言を宙にぶらりんとさせることしかできなかった。

 

全く想像していない未来が突然目の前に展開された時、人は毅然と立っていられるか。

なあ、君ならどうだ。この状況を如何に立ち回るか。

 

私の胸中の田中みな実は偽物であった。大先生よ、アンサーを教えてくれ。

 

 

本来、今頃引っ越しを進める予定であったが、先日投稿したように電球を変えたら万事解決して、その世界線は絶たれた。

しかし、今のバイト先には既に辞めるという旨を伝えてあり、この最終出勤日それぞれに「引っ越しで辞めるんです」とホラ吹きまくり挨拶をする他なかった。

 

今後、近くのスーパーで立ち合わせたらもう地獄である。

それでもなんぼのもんじゃいと思うほど、出勤してもほぼ喋らない人間でやっていたので「まぁ、いっか」で済ませてしまった。

 

そんな中である。あまり話したことのない青年が退勤時間になり私の方へやってきた。

「お先に失礼します。あれ?今日は何時までですか?」。

 

お・・・!話しかけてくれた・・・!!

その嬉しさをスッと押し込め応えると「まだまだありますね〜」とその青年はキュートに微笑んだ。

 

 

退職時の挨拶問題というものがこの世には存在する。

お別れの挨拶をどこまでの距離感の人までにするのが一番良いのか、そのラインは非常に難しい。

 

「退職」とは当人にとっては今後が左右される一つのイベントなのだが、実際その身の回りの人の地球は何も変わらず回り続けるのである。

要は「知らんがな!」と思わせてしまうということだ。

 

愛知から上京する時も「僕、上京します!」と大々的に挨拶しても「知らんがな!」と思われるだけだろうと粛々と上京したのだが、それはそれで良くなかったということがその数年後にわかったことがあった。

 

ちゃんと挨拶はした方が良い。言うべき人には。

 

といった、理論から見ると、何もやることがないけど手持ち無沙汰で何か作業をしてるフリをしていたところ話しかけてくれた彼にはちゃんと言うべきだ。

そう思い「あ、今日が最終出勤日なんです。短い期間でしたけれど、今までありがとうございました。」と伝えた。

 

けして「”実は”今日が最終出勤日なんです。〜」とは言っていない。

この”実は”という導入こそが「知らんがな!」の呼水であるのだ。

 

すると、「え!?土屋さん辞めちゃうんですか!?」と青年から予想をして居なかったリアクションがあり、おや・・・?と展開が読めなくなった。

 

 

冒頭のセリフに戻るが「好きでした・・・!あ!その恋愛ってことじゃないでしょ!残念です」と。

 

あ〜〜〜〜〜〜〜れ、それこそ彼が入ってきた時にはもう辞める直前で、情報量増やしても・・・・とちゃんと挨拶もしていなかったのだが、あれ〜〜〜??

あ!!と記憶を辿ると彼と一度話したことがあった。

 

休憩中にたまたま、まかないの飯を食べる彼を見たことがあった。

私服がかなりストリートでお〜!かっけえ人なんだ〜なんて思いつつ、よく見ると彼のテーブルにはおかずしかなくて、ご飯がなかった。

 

いや、待てよ。これはダイエット的なことなのか?それとも頼み方をわかっていない・・・?

でも、かなりスポーティーな人だし、ダイエットではない。それにあのおかずってご飯が存在するだけでアビリティを発生させるレベルで、今の彼には80%ご飯が必要なのでは!?

 

私は初対面に関わらず「ご飯の注文の仕方わかります?」と背後から話しかけてしまいびっくりさせてしまっった。

すると「え、ご飯頼めるんですか!?」と ━━ フゥゥゥぅゥゥゥ!!!!あぶね〜〜〜!!よかった〜〜〜!!!

 

次、彼がまかないを食べる様子を見てみると、テーブルにはご飯があり無事おかずのアビリティも発生しておりミッションクリアとなった。

 

それか!!!!その時のことで覚えていてくれたのか!!

 

 

最終日にして初めてしっかり話した。初めいつでも会話がやめられるような空気感を作っていたのだが、少し腰を据えて話すことができた。

彼にはちゃんとした理由を伝えたほうが良いかもと、周りにはほぼ言っていないのだが音楽やってることとサブスクで聴けることも伝えた。

すると、彼は目を輝かせて聴きます!!と言ってくれた。その、目の輝きにふと「あれ?今って学生さんなんでしたっけ?」と聞いてみると━━

 

はい!高校一年生です!!

 

 

はあああああああああああん!!!高校一年生!?!!?!?

しっかりしておる・・・・・。圧倒的な光量の正体はそれか〜〜〜〜!!

そう思うと同時に「ラーメンをご馳走したい」と言う自分のエゴが脳を司り始めた。

 

しかし、流石に大人が突然「ラーメンでも行こうぜ」は怖いかなと理性を取り戻し、もし気になるライブがあったらDMでもして〜と伝えてお別れをした。

 

バスケをやっていると言う彼の持っている自然なクールさとストリート性。それがすごくカッコよかった。

そう、すごくカッコよくて「あ!同じ髪型にしよ☆」と浅はかなまでに簡単に影響されて、私は髪型を変えることにした・

前髪が目にかかって狭まる視界にもそろそろ飽きた頃である。また、彼とどこかで再会できた時にはちゃんと白状しよう。