こしあん日記(Koshiahh’s Diary)

MURABANKU。の土屋慈人の日常系

ポケモンと嫉妬(02.20)

ポケットモンスター バイオレットのDLC含めやっとクリアした。

全クリではないが、ひとまず番外編を含んだストーリーを全部やり終えた。

 

ポケモンにおいてはもうエンジョイ勢になってしまった。

レートと言われるランクをあげるガチ勢からは離脱したのだ。

 

今はポケモンをただ愛でたり、ストーリーにさらなる妄想を膨らまし、脳内でアニメ化しながらゆっくりと進めるという、それはそれで偏った愛によってプレイしてきた。

(主人公の細かい性格やバッググラウンド、そしてその仲間たちの関係性を細かく描写する)

 

しかし、DLCに限っては今までにないほどにかなりストーリーがしっかりあり、そこは余分なものはあまりつけずに純粋にプレイした。

それはかなり重めなストーリーであった。

 

訪れた島に交換留学へ行く、そしてその地で友人ができて、結局その友人の信じてきた美学とポケモンをプレイヤーである私が奪ってしまうのである。

これはその友人である男の子の視点から見れば、圧倒的に私が加害者なのだ。

しかし、そのポケモン、そしてゲームにおける定めとしてはその未来が絶対なのである。

 

 

このDLCのストーリーを介して、自分の価値観や美学をまざまざと見させられるようでもあった。

それは愛知に帰省した時にも少し感じたことでもあった。

人が”勝利”に求めることとは一体なんなのだろうか。

 

ちょっと前に、徒競走での勝ち負けを比べることはやめ、みんなで手を繋いでゴールしよう!という動きにゾワっとした。

10年後に絶望的な思いをするぞ・・・!と。

 

勝ち負けがあまり良くないんじゃないか?という風潮が高まるにつれて、私自身は遺伝子的に勝負が好きなのではないかと気付かされる場面があった。

高校の頃、勉強においては全く気持ちがなかったので主戦場には立っていなかったが、体力測定に関しては自分の持っているものを発揮しようと励んだ。

 

体力測定であるボーダーに達するとメダルがもらえた。

教室でそのボーダーを超えた人が一人ずつ呼ばれ、教壇で受け取る。

番号順に呼ばれ、教壇に上がる同級生の捲った袖から覗く筋肉ははそれに見合うものがあった。

 

そして「土屋」と私が呼ばれた瞬間、前のSくんが「え!?」と声を上げた。運動に自信のあったSくんは呼ばれなかったのだ。

そんな中、ヒョロヒョロかつ能面顔のふさわしくないと見られる私が呼ばれたのである。

メダルを獲得しよっしゃ〜と、席へ戻るときに「なんで土屋がっ!?」と少し怒っていた。

その時の私の感情はというと─━

 

ざまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

であった。それはもう心の底からそう思った。

相当嫌なやつであろう。その時に自分の中に眠る加虐心と初めて目が合った。

コイツと共にしたら人生終わるなとも気づき、極力会わないようにした。

 

しかし、大学に上がり、人は人を介すことでしか発散できないストレスというものが確実にあることを知った。

大学の同級生内も、他の友人の中でも、バイトの中でも、家族の中でも。

それは非常に不毛であり”何か作る”ということに向いていないなと思った。

 

生きているだけで溜まってしまうストレスや怒りを人にぶつけるより、それで何かを作った方が糧になる。

そしてそれは最も平和であり、決定的な復習となるのだ。

 

実際、一番強く思ったことは、競争に興味がないと発言する人ほど、無自覚にマウントを取るきらいがあることだ。

その無自覚に感情的になってしまう自分がもしいたらと想像すると見ていられなく、人でマウントを取ることはやめようと決めた。

すると周りの人から「悩んでなさそう」と言われるようになり、やっぱり人が信じられる世界ってその範疇なのかと愕然とした。

 

 

そんなこともあり、私の生きているだけで生まれてしまう加虐性はゲームの中で発散、いや、それを活かし強いゲーマーな側面も掴み取ろうぜと没頭した。

ゲームの中では圧倒的な勝利への欲が出せるのだ。結局それほど刺激を感じられ気持ちの良いものはない。

 

しかし、今回のポケモンDLCでは、その信念すら作中の友人に大きな嫉妬を生む原因になってしまった。

一体おれはどうしたら良いのだ・・・。そう思いながらも思い思いの正義を貫き進めると、その友人は無事本来の自分の美学を取り戻し万事が解決した。

よかったよ、スグリくん。

 

あの時、ざまぁぁぁと思ってしまったSくんに当時できたことはあっただろうか。

「ちょっと、ポケモン・・・勝負しない?」とでも言えば笑ってくれただろうか。

嫉妬しかしていない側の人間が、たまたまそういう場に立ってしまった時、これほど難しいものはない。

結局、どちらにしろスッと席に座ることしかできなかっただろう。

そして、どちらにしろメダルだけはビカビカに光っている。喜ぼうぜ。