こしあん日記(Koshiahh’s Diary)

MURABANKU。の土屋慈人の日常系。日常の真ん中はこしあん日記

映画館に駆け込んだらカジュアルオフィスだった(07.24)

今日は待ちに待った映画「デッドプール&ウルヴァリン」の公開日である。THE・夜も眠れないほどに状態。こんなのいつぶりだろうか。心の中で、上映時間が近づくたびにソワソワしてしまう。

 

ネタバレを踏まないように細心の注意を払ってここまで来た。そして、絶対に朝一の上映を観ようと心に決めていた。歴史の変わる瞬間に立ち会うのである。

 

デッドプール&ウルヴァリン」とは一体どんな作品かと端的にいうと、マーベル版「フレディvsジェイソン」である。いや、ちょっとわかりにくいか。とにかくマーベル映画史において絶対にないと思われてきたスターたち(スタッフ含む)が共闘する(クロスオーバー)奇跡のお祭り映画なのだ。

 

(マニアックに解説すれば、20世紀FOXがディズニーに買収されたことにより、MCUアベンジャーズ等のシリーズ)に20世紀FOXが権利を持っていたX-menデッドプール等々のキャラクターが出演できることになったのだ。

そして、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンもアメコミは引退したのだが、デッドプール役のライアン・レイノルズ(製作も担当している)の提案により実現し、それも安心と信頼のスーパーヲタクでもあるケヴィンファイギの元、MCUの世界でデッドプールの新作が生み出せるようになったのだ。)

 

はあ、ここまでの過程だけでも語りたいことだらけよ。しかし、今や誰もMCUを追っている人が周りに全くいない。ずっと一人で壁打ちしている気分だ。

こんな状況をデップーなら変えてくれる。そんな希望すら持ってしまうほど今作のトレーラーには「本気度」を感じ取った。

 

そんな長い紹介をしておきながら、今回の日記は楽しみが嵩じた挙句、大いにから回ると言う間抜けなものです。それはまた人生の教訓とも言える、日常のど真ん中はこしあん日記始まるよ。

 

 

よく一人の部屋で壁打ちをしている。かっこ良く言えば好きな作品をひたすら考察しているのだが、寂しく言えば話し相手がまるでいない。

ここ数年でかつてマーベル映画をアツく語ってきた人もみんな離れてしまった。中学生の頃を思い出す。気付けばまた一人で壁打ちをしているのだ。

 

マーベル作品は氷河期を迎えている。誰かに「MCUのドラマ版みた?」と聞けば「あれはいっかなw」とオマケのwまでもがついてくる。それに対してのリアクションを取るのももう面倒なので、またこっそりと楽しむようになった。

 

ただ、一人で壁打ちし過ぎると対する概念のマジョリティーに対して悪口が溢れてくる。やばいやばいやばい。

 

この感覚ってきっと世の中から言われる”サブカル”を避難所とした学生生活を送っていた人間の行き着くところなのだろうか。また、ここをちゃんと克服しなきゃいけないなと最近すごく感じる。だって、そんな状況から垣間見える未来、怖くね・・・!?!?!?

 

あーー、やばいやばい。

お、お〜〜〜い、この同じ夜空の向こうにきっといる君、元気〜〜〜!?とにかく今は刻々と迫る上映時間にソワソワしてるみんなに早く会いたいよ・・・!!

 

と言うことで、今回の上映はとにかく劇場のみんなの熱を一番感じられる回を選ぶことにした。そう、もちろん朝一の上映である!

 

 

 

ちゃんと日が昇る前に眠ることをクリアし、アラーム前にちゃんと目覚めた。唯一盲点だったのは通勤ラッシュ最中だということ。あぁ、普段チャリンコで意気揚々と走っている我が身にとっては疲れ過ぎちゃう・・・。

なんてことを思っていたら電車がキュ〜〜っと止まりアナウンスが流れ出した。

 

「前方の列車の〜〜安全確認のため〜〜次第、発進します」。

 

 

 

AAAAAAAAAAAAAAAA。

 

 

 

 

いやいや、落ち着け。ちょっと落ち着けって。こう言う時に限ってさ、こう言うことって起こりがちじゃん☆

こんな状況は心に無意味なイケメンを生み出す。無意味なイケメンの冷静さこそ自分を無化してくれるような存在はないだろう。

 

 

「すると」と言う接続じゃもたないくらいのタイミングで電車は走り出した。時間を見たらスタートの時間にちょっと間に合わない。こうなったら次の一手を考えなければ。次の乗り換えで出来るだけ映画館に近い出口寄りの車両に乗り込み、全力疾走すれば間に合う。よしこれだ!!

 

普段ならTOHO新宿を選ぶ私だったが、今回はわけがあってTOHO池袋で観ることにした。だからそう、駅からのルートがマップを見なければ全くわからない。

しかし、この時はまだ「まあ、ただ全力で走れば良い」と言う根拠なき自信を胸に秘め、最早ゲーム感覚で楽しんでいる自分もいた。

 

 

身長187cmが池袋の街を全力疾走する。意外と運動神経のある私はブンブンと街の中を駆けました。

それはあたかも事件ありげな風さえ起こしてしまう。オーバーなのだ。しかし、そんな恥ずかしさなんて感じてられない!夜も眠れないほど楽しみにしていた上映が始まってしまうのだから!

 

予習しておいたルートを見事通り、目の前にTOHOと書かれたビルが見えて、そこには多くの人がいる。

マーベルジーザス・・・デッドプールよ、本当にやってくれたのね。

普段は嫌な満員のエレベーターも、同じような夜を過ごしてきた同士との空間で私はちょっぴりハッピーでした。そして、チーンと開き、そこには──

 

 

オフィス!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

Wow!カジュアルオフィス〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!

 

 

人の多さに騙されたよ。思いっきり。急いだ私は謎のビルに入り、謎の社員と共に謎のオフィスに辿り着いてしまったのだ。何がゲーム感覚だ。

 

既に汗だくな状況だが、カジュアルオフィスへ続く道でそんな焦りを露呈してはいけない。

ぞろぞろと同じ方向で歩いていく人の波に進みながらも「あれ、私は規定の集合場所がなんか言われてたよな〜〜Gmail確認しなきゃ〜」と言う面で踵を返してエレベーターのまで戻った。

 

セーーーーーーフ、そして何やってんだ・・・。

 

生まれて初めて、エレベーターで両手をついて項垂れた。

どうせ監視カメラには映ってるんだろうと、一応四方それぞれに両手をついて項垂れた。この四半世紀で最も無意味な状況を記録した。

 

 

それでも何とか映画館に到着し、無事に映画を観ることができた。そして、その映画は期待以上に素晴らしいもので、思わず「え!?」「おぉぉぉぉ」「マジか!?」と独り言を言ってしまった。

 

しかし、それさえ許されるような、四方八方から似たリアクションが飛び交うアツい空間で、上映中にその劇場の中でボールが飛び交っていた。

 

映画も本当に最高で、朝一の上映後に続けてもう一度観てしまった。

まさに歴史が変わる瞬間を目撃できた。この上なく下品でくだらなく、それでいてものづくりの愛に満ちた作品に私は感動した。公開されたばかりだからまだ何も言えないが、心に響く映画であった。

 

部屋での壁打ちは孤独だけれど練度を高めてくれるのだな。対スクリーンとのキャッチボール。周りから聞こえるシュッ、スパッという音。

そして、みんなで打ち合った上映後は全くの他人となって帰っていくあの白々しさがたまらなくよかった。それぞれがそれぞれを生きて、またどこかの一点で熱狂する。

銀幕の向こうで、また会える日を楽しみに私も日々を生きていこう。