自撮りから鍛えるしかない。
この先の未来において、全てはこの一行に尽きる。
自撮りから鍛えるほかないのだ──。
今回の”日常のど真ん中はこしあん”日記は、この心境に至るまでのドキュメンタリーだ。
きっとこれを読み終えたあなたは頬杖ついてこう言うだろう。
「そりゃ、君、自撮りから鍛えるしかないわ 」
わかってるって!わかってるから今こうして膝にキーボード置いてこれ打ってんの!
それでは本編へ。
○
1日に何回ジョブチェンジするんだという日々が続いている。
去年はバンドの攻略本作りのため、ライブと編集マンのような日々は続いていた。
(その件は大変お世話になりました、ミスタードーナツ吉祥寺店さん)
しかし、今年はバンドも新体制となりガシガシと音楽面を進められるようになった。
私のポジション的には音楽以外にも兎に角考えなきゃいけない企画がたくさんある。
”考えなきゃ”とはいったものの、それはちょっとしたカッコウヅケしちゃっただけで、企画を考えるのが何よりも楽しくて好きだ。
目が覚めて(YouTube観てから)寝落ちするまでずっとぐるぐると考えてしまう。
だから、逆に疎かになってしまうことも生まれてしまうから要反省なのだが、兎に角考え続けてしまう。
その中でもMVや映像関係を考えることが特にワクワクする。
○
そうとは言ったものの、私のやれることと言ったらコンセプトを決めて絵コンテを簡単に作ることくらいだ。
実際に映像を作るのはその道のプロであり、だからこそ完成が死ぬほど楽しみだ。
先日、早速どんな映像を作っていくか打ち合わせを始まった。
今回、映像を作ってくれる人は普段ゲームを作っている人でアイディアが本当に面白い。
関わってくれるきっかけもAPEXというゲームの立ち回りを教えてもらう雑談の中からであった。
そして、ごちゃごちゃしてしまうが、もともとはお笑いをやられていて、出会ったきっかけもそのライブで、大喜利のようにアイディアを出し合っていくのが爽快であった。
とある日の夜、帰宅してDiscordを開きリモートで打ち合わせが始まった。
と思いきや、気づけば「土屋とは一体どんな人間なのか」という議題が上がり、映像制作の話から大きく逸れた。
いつも基本的に聞き手に回ることがなんだかんだ多く、これ言ってもなかなか伝わらないだろうなあってことはぼやかしてしまうことが多いのだが、たまに現れる”それが通用しない人”というのが存在する。
まさにこの通話越しのその人こそが”その人”で画面越しに銃口を突きつけられる私は滔々と質問に答えた。
そしてまず行き着いたワードが「とにかく、浮世離れしすぎている」であった。
○
恥ずかしい、非常に恥ずかしい。
大学の頃にいろいろめんどくさくなってセルフ浮世離れを試みた話をした。
ロールモデルが涅槃像とはイタイというより危ない。
そして、この「浮世離れ」から話は「モテ」についての話に。
その人曰く(もはや孔子)、土屋⇨優しい⇨浮世離れ(ミステリアス)という流れは実はモテの方程式に則っている、と。
OMGである。アム、アイ、ミステリアス??
てかなんだ、モテの方程式って。
「そもそも身長高くて、あんまりd、遊んでない人あんまいないんだよ」と孔子は仰しゃい、それは確かにとそうだとポンっと膝を叩いた。
そして、私はdの子音を聞き逃すことはなかった(童貞ちゃうわ!!!!!!!!!)
しかし、私もそれを鵜呑みにできるほど能天気ではない。
そもそも自分は世の中の恋愛市場に名が挙がっていない〜なんて話をすると「それは多分どこかにトラウマがあるね」と孔子は仰しゃり、中学生の頃の淡い初恋の悲しいオチを話すと「それだ」とすぐにトラウマ判定をもらった。
結局、その浮世離れしたスタンスをどうしていくかという議題に移り、個人的には今そのスタンスはあまり必要としていないなと思った。
というか、そのスタンスは数年前に辞めた自覚があったので、まだあるんかい!いや、あるわなあという着地があった。
仮に、バンドも個人の活動も神秘性のようなセンスは必要としていない。
世の中の人の個性は結局みんな「ドラえもん」の登場人物に当てはめられるというが、客観的におれは誰だと思う?と聞いてみると「んん〜〜。のび太かな」と判定された。
やはり、どこまで行っても「野比のび太」なのである。
そこに「187cm」と言う身長、さらに「浮世離れ」を掛け合わせたって、その答えは「??」であるだけだ。
仮に、自分が超センス系で攻めるなら良いかもしれないが、作れるものはのび太の妄想の延長線上のものだ。
よし、浮世離れから地に足つけよう!と議題はまた映像制作から大きく逸れていった。
○
「そもそも、今の髪型どうなってるの?」
アー写撮影なども特になく、ただ伸びてるだけっすね。
「あー、そこから考えなきゃだ」
第一ミッション「髪型を考える」の始まりである。
髪を切るときは結構短く切ってもらうのだが、伸びるとなんとか前を見るためにも無理やりな中分けスタイルとなっており、今の私はアリエルに出てくるあのわんちゃんの毛量を少し抑えたくらいである。想像できただろうか。
まず、AIが似合う髪型を特定してくれるアプリをダウンロードした。
そして、UIの古さやへっぽこな画像が出て、それはそれで大喜利が開幕。
やばい、もう朝の3時だ!と安心安全のFaceAppを落とす。
そして、Aiの凄さに驚き、それはそれで大喜利が始まる。
気づけば朝の4時を過ぎていた。
結局、アプリで似合う髪型を見つけることはできなかった。
そして、地獄の自撮りが雲の上に保存されていくだけであった。
そのとき、事は起きた──。
「土屋くん、自撮り下手じゃない?」
○
音楽の活動を始めるまで、できるだけ写真に写らないように生きてきた。
同級生となんでもない話をしている最中、突然パッと話しながら自撮りを始めて、その写真をみると、そこだけ冷めてしまった自分の能面ヅラがiPhone6の画質で映し出されていた。
流石に今じゃ写真にも慣れて「わ〜〜〜!」と孫のような表情すらできるようになった(?)。
しかし、自撮りが下手というのも確かであった。
そもそも、自分はそんな格好よく写らなくても情報さえ届けば良い、と思っていたが「写っている自分こそが一番大きな情報だぞ」と孔子に諭された。
マジでそう!!!!!!!!
髪型もマジでそう!!!!!!!
ああああ〜〜〜〜〜〜〜、そう!!!!!
なんだかんだやっていることが裏方の仕事が多く、そのスタンスでいたが「このスタンスなんで」という臭みすら出ているかもしれない・・・と焦った。こわ!!!
いらない浮世離れ、間違ったスタンス、自分のつくりたい表現との一致。
自撮りから鍛えるしかない。
その後、自撮りトレーニングが始まった。
そして早速、おふざけは禁止された。
孔子曰く、女の子は実はみんな練習を重ねて自分の”角度”を持っていると。
そして、男子も男子できっと日常で写真を撮る中で備わっているものだったりすると。
腕を上げ、顔の角度を作り「これどうですか」と送ると「君は愛想笑いが多いから作り笑いみたいになってる」と返ってきた。
どストレートOMG!!!!!
その後、アメリカの友達の表情を見て、確かに表情筋の使い方を熟知している・・・と感動したと共に「表情筋」という言葉をさりげなく独り言で出てきた時点で成長を感じた(自分に甘い)。
○
もう、真っ正面に朝だ。
「お、ええやんん。最初の画像と見比べてみ?」と実際に見てみると、おじさんと若者ぐらいの差があった。
若者のスマイルになっている!!!これは地に足ついている!!!さらば、涅槃像ロールモデルのおれ!!!!!
自撮りから鍛えるほかないのだ!!!
「マッチングアプリでも通用する写真」というお題であった。
いや、アー写とかで良いんだけどと思っていたが、その反応を見るために己を晒せということでTinderをダウンロードして写真を載せた。
そして、プロフィールコメント大喜利が始まり、流石に生活がバグる時間になっていたのでアンパイなコメントにして一晩置くこととなった。
そして、仮にマッチングしたらちゃんとコミュニケーションを取るというミッションが生まれた。
何かを作ったり、何かを成すためのコミュニケーションならできるが、まずはここで修行しろということになったのだ。
大学生デビュー、ここに始まり、である。
しかし、考えてみてほしい。もっとおじさんになってもこの状態が続いていたら、いやスタートできていないと思うと・・・。
私の将来の姿は井の頭公園で一人でぶつくさいってるおじさんだという運命がある。
この運命をちゃんと剥がすには、人の感覚をちゃんと取り戻さなければならないのだ。
さんきゅう、孔子、取り戻してみせるぜ。
自撮りを繰り返すという行為は、己を矜持をぶっ壊すということでもある。
ずっと謎に貫いてきた、ずっと謎に培ってきたプライドというのはきっとあなたにもあるだろう。
それを壊して崩れたブロックから見える先の景色は一体。
それはもっと地獄なのかもしれないが、私はおもしろそうだと思う方向に変化していきたい。
写真写りが良い将来なんて、一番意味わからないからね。
あなたのその先の景色も見てみたい所存であります。
きっとあなたも自撮りから鍛えるしかないよ。
そして、へっぽこすっぽこぽこぽこぴーな雑談から生まれる映像もお楽しみにね!