おけつが痛い。あぁ、おけつが痛い。
痛いというか、もう火を吹いている。
その様、まるで印籠を持たずしてモーセの十戒の海を割るが如し。
兎にも角にも、私の水戸黄門がカウボーイよろしくヒーハー言っているのである。
あぁ、怒られる、怒られる。
そんな状態で平然を保ちバイトを徹底した私は大嘘つきである。
〇
みなさま、突然ですが肛門科へ通院したことはありますでしょうか?
私は過去に一度その鬼門を潜ったことがある。
深夜になるときゅ~っと私の水戸黄門(怒られる)が突然かまちょになるのである。
どうにも慰めようもなく初めてスマホで「肛門 病院 〇〇(最寄りの駅)」と検索して、ヒットした病院のHPを垣間見て早くも新世界の息吹を感じた。
翌日の午前に立ち漕ぎでケッタを飛ばして病院へ行った。
待合室、ここにいる全員、同じ「先生」という人物に己の水戸様を御覧に入れる未来が平等にあるんだなと思うとなんだか心強かった。
しかし、肛門科での診察の手順を先にググっていたのだが、それは想像通りの想像をしたくない顛末が見やすいようにフリー画像とともにまとめられていた。
名前が呼ばれる。すると誰かが反応して席を立つ。
一人二人と続いていく。
そして、そのたびに「あ、この人これから先生に水戸様を御覧に入れるんだ。へぇ~~」という視線が集まる。
しかし、それは「上がり」でもあるのだ。一人ずつ名前を呼ばれ羞恥心に紛れた待合室というキューブから出口へと解放されていくのだ。
誇っていこうじゃないか。名誉なことじゃないか。
そんな中私も周りに負けじと印籠を持たずして最強の水戸様を誇り奉るように、いたってクールに診察室へ颯爽と向かった!!
〇
「力抜いて~~~」
おじいさん先生が優しい声色で私の水戸様に声をかけている。
いや、力抜けるかあ!!なんちゅう姿勢をさせられてんだ!!
このプレイに目覚められるほど、まだ自分の肝は据わってない。
もう、頼む、早く終わってくr ─── パシッ。
「まだ力んでるねぇ~~~~」
やばい、なんかのスイッチを入れてしまったか?
もう、なにもできない。もう、私を、私を好きなようにして!!
すると、先生は言った。「きれいな肛門だけどねえ・・・ねぇ?」。
「はい、きれいな肛門です!」
・・・・・・・・・・
いや、たしかにヒョコって影が動くのを見た。
にしても、ヒョコっと人の肛門を覗くんじゃないよ。
それに、黄色くハキハキした声で「はい、きれいな肛門です!」なんて言われたら・・・
自信がつくじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!
〇
結果、異変は何もなかったようだ。
塗り薬をもらって帰った。
これはもう2年前ほどの話なのだが、今も時に痛くなる。
当時の痛みと同じかはわからないが、今の明らかに水戸様をいじめる原因がわかった。
辛い物だ。
そう、私は結局腹が弱いのである。
コーヒーですら腹を下してしまう。
飯も食べるほうなのだが、その食べるほうとされるゲージ以上いくと即トイレ行きである。
吉祥寺においてはざっくりとしたトイレマップが脳内にあるものの、知らない土地でそれの痛さに身を司られたときは絶対絶命の天国と地獄である。
そして、辛い物を食べることを私はやめられない。
一番のストレス解消になるのだ。
もうね。鳩尾をグンとパンチされるくらいの辛さがほしいよ。
こいよ!!!な~んて気持ちで平らげ腹を壊し、翌日の水戸様はご機嫌斜めってわけ。
やあ~ね。分かっちゃいるけどやめられねえってわけ。
そんでもって今日もカレーメシに山椒を入れまくって夕食を済ませした。
クラウチングスタートの体制を取って、今日の日記は示させていただきたいと思います。